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刑事事件専門 弁護士中澤剛のblog

2014年2月16日

人工知能が悪さをしたら・・・逮捕に強い東京の刑事事件専門弁護士中澤剛

author:弁護士 中澤 剛

先日、理系の分野に非常に強い友人と会話をしていたところ、近時、人工知能の発達が目覚ましいという話を聞きました。

将棋などでも、人間が思いつかないようなアイディアの手を打ってくるのだそうです。

その友人の話では、将来、人工知能が発達して、人間の制御の及ばない独自の知能を持った存在になる可能性もあるとのこと。

そのような話を聞きながら、私は、人工知能を持ったロボットが、あるいは「悪しき」心を持つようになってしまい、人間に害悪を加えるようになるのではないか、と考えました。

万一、そのような事態になったとき、刑法学はどのように対処するのかなと、やはり刑事弁護人としては考えてしまうところです。空想の話ですが、検討してみましょう。

まず、刑法規範は人に向けられているのであって、ロボットは所詮刑法上は「物」でしかありえません。
ロボットに対して、刑法は、「人を殺すな」とは命じていません。
従って、ロボットが、人を殺しても、ロボットに殺人罪(刑法199条)は適用されないことになります。
このような事態は、法的には、サバンナでライオンが人を食い殺すのとまったく同じなのです。(注:ロボットは、所有者がいないという前提)
人を食い殺したライオンに刑罰を課さないのと同じで、ロボットに刑罰は課されないのです。

では、このロボット(所有者には何の落ち度もないのに、悪いことを考え行動するようになってしまったロボット)に殺されそうになった人は、正当防衛でロボットを壊してもいいのでしょうか。
これは、刑法では、いわゆる対物防衛という論点であり、対物防衛の論争がそのまま妥当することになるでしょう。

結果無価値論を前提にすれば、いわゆる違法状態を観念するので(客観的違法性論)、ロボットに対しても正当防衛が成立することになるでしょう。
これに対して、行為無価値論を前提にすると、違法とは人の反規範違反であるととらえるので(新しい客観性違法性論)、ロボットは違法たりえず、せいぜい緊急避難が成立するにすぎない、ということになるでしょう。
なお、行為無価値論を前提にしても、民法720条2項で危険源の破壊行為について損害賠償責任を否定していることを根拠にして、刑法上も民法720条2項に該当する場合には違法性を阻却するという防衛的緊急避難を認める説によれば、補充性や法益権衡がなくとも、違法性が阻却されることになります(防衛的緊急避難説については、井田良先生の講義刑法学総論・278頁以下を参照ください。)

判例は、正面から対物防衛が問題になった事案はないようですが、将来、「悪い」ロボットに自分の命を狙われたら、逃げられそうもなかった時には、壊しても法的には問題ないと思います。

以上、空想の中のお話でした。

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カテゴリー:刑事事件 comments(0) 1:46 AM 

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