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刑事事件専門 弁護士中澤剛のblog

2013年12月26日

信託制度の起源

author:弁護士 中澤 剛

 信託制度というのは,目的財産を受託者に完全に移転させるとともに,受託者がその財産を受益者のために管理処分するという制度です。

 新井誠先生の「信託法」によれば,この信託制度の起源について,いくつか学説があるそうです。

 そのキラ星の如く輝く学説の中に,「ローマ法起源説」なる学説があり,これに関して描かれる古代ローマの状況の一節はなかなか興味深いものです。
 同学説は,紀元前169年,ローマの護民官であったクウィントゥス・ヴォコニウスが提案したヴォコニウス法の潜脱手段として成立した手段が信託の起源であるというのです。
 このヴォコニウスという方は,女性が富を所有するのは怪しからんということで,女性が相続する権利及び遺贈を受ける権利を禁止したんだそうです。しかし,死に際して,自分の娘なり妻なりに,自分の財産を残したいという人はいて当然で,そこには日本もイタリアも現代も古代も変わりはありません。人情不変であります。ところが,このヴォコニウス法のせいで,娘や妻に財産を相続させられない,さあ困ったということで,被相続人(委託者)が自分の遺産(目的財産)をいったん男性の第三者(受託者)に遺贈し,その男性(受託者)がその財産を娘や妻(受益者)に再度譲渡させるという制約を課した,これが信託の起源であるというのです。
 いつの時代も,法によって禁止されても,これを潜り抜けようとする人は絶えることはありません。なんとかそれを潜り抜けようとする,人間の欲求や欲望,動機や願望といったものが,良かれ悪かれこの社会を動かす大きな要因であると感じさせられますね。
 また,ローマ法起源説は学説上有力ではないようですが,起源云々の話はともかく,ヴォコニウス氏がどのような方だったか,当時の時代背景はどのようなものだったのか,非常に興味が湧くところです。
 
 


カテゴリー:その他 comments(0) 2:17 PM 

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