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刑事事件専門 弁護士中澤剛のblog

2014年3月23日

執行猶予の要件・・・逮捕に強い東京の刑事事件専門弁護士中澤剛

author:弁護士 中澤 剛

執行猶予というのは何でしょうか?

文字通り,刑の執行(例えば,刑務所に入れる懲役刑や,罰金を払わせる罰金刑を執行して,実際に刑務所に入れたり,罰金を払わせたりすること)を,猶予してあげる制度です。
例えば,懲役1年6月,執行猶予3年,という判決が出た場合には,刑務所に1年6か月入らなければいけないという刑ですが,実際に刑務所に入るわけではなく,3年間,刑務所に入らなくて済みます。
そして,その3年の間に罪を犯す等なければ,刑の言い渡し自体が失効します(刑法27条)。
罰金刑でも執行猶予が法律上は可能ですが,ほとんど実例はないようです(私は,担当している事件で罰金の執行猶予判決をもらったことは一度もありません)

執行猶予というと,悪いことをした人を自由にしてしまうと思う人もいるかもしれません。
しかし,これは立派な有罪判決です。
そして,もう一度何か悪いことをしたらほぼ確実に刑務所に行くことになります。再度の執行猶予判決ということもありますが,非常にまれです。
執行猶予判決を受けた被告人は,もちろん自身も深く内的に反省していますが,同時に,外部から,もう二度と悪いことはできないという無言の心理的圧力を受けながら生活することになります。
現実社会には困難が多いのは,ご承知のとおりです。刑務所に入って生きるよりも,自由で,なんでもできる社会の中で生きることの方が,まっとうに生きていくためには,難しいことが多いのです。
そういう方が,社会でふたたびやり直せるように,社会内で生きていく試練を与える制度です。

そのような執行猶予制度ですが,要件が,少し法律からは分かりにくいと思います。
刑法25条には,以下のように記載があります(刑の一部の執行猶予が認められましたが,まだ施行前ですので,現行法のまま)

第25条 次に掲げる者が3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金の言渡しを受けたときは、情状により、裁判が確定した日から1年以上5年以下の期間、その執行を猶予することができる。
一 前に禁錮以上の刑に処せられたことがない者
二 前に禁錮以上の刑に処せられたことがあっても、その執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から5年以内に禁錮以上の刑に処せられたことがない者
 前に禁錮以上の刑に処せられたことがあってもその執行を猶予された者が1年以下の懲役又は禁錮の言渡しを受け、情状に特に酌量すべきものがあるときも、前項と同様とする。ただし、次条第1項の規定により保護観察に付せられ、その期間内に更に罪を犯した者については、この限りでない。

これを読むと,執行猶予の要件は,
①「次に掲げる者」であること : 25条1項1号または2号に掲げる者であること
②3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金の言渡しを受けたこと
③ 執行を猶予するべき情状が認められること

の3点となります。

このうち,①「次に掲げる者」であること : 25条1項1号または2号に掲げる者であること
 の要件のうち,
25条1項1号の「前に禁錮以上の刑に処せられたことがない者」は分かりやすいのですが,
25条1項2号の
「前に禁錮以上の刑に処せられたことがあっても、その執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から5年以内に禁錮以上の刑に処せられたことがない者」
は,少しわかりにくいと思いませんか。
例えば,懲役刑を受けて3年前に刑務所から出所した人は,25条1項2号に該当するのでしょうか。
懲役刑を受けたのですから,「前に禁錮以上の刑に処せられたことがある」と言えます。
では,「その執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から5年以内に禁錮以上の刑に処せられたことがない」とはいえるでしょうか。
 3年前に刑務所から出所したのだから,出所した日(その執行を終わった日)から今回までに,禁固以上の刑に処せられていなければ,「その執行を終わった日(中略)から5年以内に禁錮以上の刑に処せられたことがない」といえそうだと思いませんか。5年以内は,まじめにやってたよ,と言えそうです。

 しかし,「その執行を終わった日(中略)から5年以内に禁錮以上の刑に処せられたことがない」(刑法25条1項2号)という文言は,禁固以上の刑に処せられることなく5年以上の期間が経過していることをいう,と解釈されています。
 つまり,出所してから5年以上経過していないと,「その執行を終わった日(中略)から5年以内に禁錮以上の刑に処せられたことがない」とはいえないのです。
 そうすると,上の例で,3年前に刑務所から出所した人は,「次に掲げる者」(刑法25条)に当たらず,執行猶予判決はもらえないのです。

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カテゴリー:刑事事件 comments(0) 12:56 PM 

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