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刑事事件専門 弁護士中澤剛のblog

2014年1月20日

決定論と非決定論・・・逮捕に強い東京の刑事事件専門弁護士中澤剛のブログ

author:弁護士 中澤 剛

刑罰が人に課せられるのは、自由な意思決定が可能であることを前提として、法律がやってはいけないと禁止していることを、あえて行動していることに根拠があります。違法な行為をするという意思決定に対して、だめではないかと非難できるから、責任が認められるのです。

このように、刑法理論(旧派)は、基本的に、人は自由な意思決定をすることが可能であることを前提に構築されています。
人は、自分の行動を選択できる(非決定論)、そのことを前提に、なぜやってはいけないことをしたんだという非難が可能であるとされるのです(人が犯罪を犯すのは環境等のせいだという新派理論は、支持を失っているとされています)。

しかし、この点に関して、近時、面白い研究があるようです。

刑事法ジャーナル38巻の高橋則夫教授の「巻頭言」によれば、

「前者(注:神経科学)によれば、ある特定の態度をとるという意思は、行為者自身が自ら決意したと考えた時点で、脳組織内のプロセスで既に形成され、存在していたのであり、人間には意思自由があるというテーゼは科学的に維持できない」のだそうです(同書3頁)。

この理論が仮に真実だとすれば、刑法理論は根底から瓦解しかねないことになります。
犯罪者は、皆、犯罪をせざるを得なかったのだ、ということになり、「そんなことしたらダメじゃないか」と非難しても、「いやいや、もともと私の脳内で、その行為をやるように私は決められていたのです。自分が自由に決めたわけじゃないのです。ダメと言われても困ります」という反論が認められることになるからです。

こうして神経科学などの理系の分野までも影響してくるところに、刑事法の分野の奥深さ、面白さがあると思います。

ところで、私としては、科学的な証明はともかく、自分の人生をよりよくしていこうと考えるのであれば、意思の自由があると考えた方が良いと思います。
巨人の松井選手が高校時代だったでしょうか、恩師に習った言葉に、「思いが行動をつくり、行動が習慣をつくり、習慣が人格をつくり、人格が運命をつくる」という趣旨の言葉があったと思います。そのような思いで日々の行動を意識していけば、人生はどうせ決まっていると考えるよりも、より良い人生を作れるような気がします(私は全く実践はできていませんが。)。

とはいえ、神経科学の見地からすれば、このように意思の自由があると考えた方が良いと私が考えることそのこと自体も、実は自分で決意したのではなく、そのように考えるべく、最初から決まっていたのかもしれません。

高橋教授が、先に引用した刑事法ジャーナルの記事で、決定論と非決定論とでさまよい続けている旨を述べておられますが、私も同感です。人間の不思議さは、興味がつきません。
 
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カテゴリー:刑事事件 comments(0) 11:42 PM 

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