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刑事事件専門 弁護士中澤剛のblog

2014年5月19日

逮捕に強い東京の刑事事件専門弁護士・・・家族の物を盗むと窃盗罪になるか

author:弁護士 中澤 剛

家族の物を盗むと窃盗罪(刑法235条)になるでしょうか。

参考:刑法

第二百三十五条  他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

この条文を見ると,家族は身内であり,「他人」ではないから,窃盗罪が成立しない,という議論も成り立ちそうです。

しかし,ここでいう「他人」とは,財物を占有している人以外の者をいうとされています(占有説という学説が前提になっています)。

そうすると,家族の物を盗む行為は,「他人の財物を窃取」したこととなり,窃盗罪が成立しそうです。

ところが,刑法244条では,親族間の特例という規定があります。

参考:刑法244条

第244条 配偶者、直系血族又は同居の親族との間で第235条の罪、第235条の2の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯した者は、その刑を免除する。
 前項に規定する親族以外の親族との間で犯した同項に規定する罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
 前2項の規定は、親族でない共犯については、適用しない。

1項によると,配偶者や直系血族(親子が典型)または同居の親族との間で,窃盗罪等を犯した者は,その刑を免除するとされています。

このように免除される理由は,争いがありますが,「法は家庭に入らず」と言いまして,要するに家族内の揉め事に国家が干渉するな,とうことです。刑法の違法性や責任と関係がある,という理論もありますが,判例は,違法性や責任とは無関係の,法政策の問題であると考えています。

「法は家庭に入らず」という思想は,明治時代の家父長制度に由来するものかもしれません。
明治時代は,父親が一家の長として絶対でした。そのため,家庭内のトラブルに関する処理は,父親が責任をもって処理し,国家は口出ししなかった,ということです。
当然ながら,口出ししないことにも限度があり,例えば家庭内の殺人事件等の重大事件が起きた場合には,「法は家庭に入らず」という要請は後退し,国家が介入します。

刑法244条は,窃盗罪(及び不動産侵奪罪)以外の財産犯の多くに準用されており(重要な例外は強盗罪),財産犯については家庭内の揉めごとというレベルで処理しようとする意志がうかがわれます。ただし,強盗は例外です。強盗のような重大事件となると,国家が出てきて解決に当たるべきだ,という建前です。

このように,法律は,家庭内の問題にどのように介入するかについて微妙なバランスを考慮した規定を置いています。

犯罪というのは,一般に公的な問題(社会問題)であると考えられますが,家族間の犯罪というのは,私的な問題と公的な問題の正に限界状況にあるため,刑法の規定もそのような微妙な状況を反映して,国家の介入と私的な解決とのバランシングを図っているのです。

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カテゴリー:刑事事件 comments(0) 3:28 PM 

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